11/17 三菱UFJ銀行 内田稔

 予想レンジ
 114.30円~115.20円
 注目ポイント
 日本のインフレ期待

安値(7:00~翌5:00) 高値(7:00~翌5:00)
113.935 -36.5 翌3:20 114.969 -23.1 8:30

NY市場を振り返って、今日の展開はどうなる?

 昨日は主要通貨の中で円は中盤程度だったが、小売売上高を受け、ほぼドルが全面高となったことで直近高値を抜けてきた。

 今日のドル/円も115円台を視野に強含んで推移すると考えられる。

注目ポイントについて、いま物価高なっているが、インフレ期待が高まると通貨が弱くなって円安という連想になるが?

 日本のインフレ期待と円相場の関係を見ておくと、インフレ期待が上昇すると幅広い通貨に対する円相場──これを名目実効レートと言うが、これが下がるという関係性がある。

 10月下旬以降、円は多くの通貨に対して反発したが、足元ではこの期待インフレ率が再び上昇に転じているので目先については円安再燃の可能性が高まっていると考えられる。

円相場を方向付けると言われているインフレ期待の見通しはどうなっている?

 三つの観点から年明け以降は上昇に歯止めがかかってくるのではないかと考えている。

 まず一つ目は日本の物価──消費者物価指数を見てみると、総合ではいま前年比プラスに浮上してきたが、生鮮食品やエネルギーを除いたベースではデフレになっている。

 また、実質賃金も前年割れとなっている中で、トライのCPIの上昇は消費者マインドを抑制してしまうという可能性が出てくる。

 次に企業は、仕入れ価格に比べると販売価格をそれほど引き上げることができていない──こういった状況が長引くと、企業業績への重石となってくることが懸念される。

 また、三つ目の要因だが、世界的に多くの中央銀行が金融政策の正常化に舵を切っているので、こうしたこともインフレ期待の上昇に歯止めをかけてくる要因になってくると思われる。

つまりインフレ期待が上昇しないということになると円は弱くはならない、となるとドル/円は再び110円台などの方向に向け、いわゆる円高方向に向けて進んでいくという風にみた方が良い?

 はい──いま挙げた三つの要因に加えてコモディティ価格の上昇にも歯止めがかかってくると、円も持ち直しに転じてくると考えられる。

 年内はまだこのインフレ期待次第で115円を抜ける円安の時間帯が続く可能性も十分あるが、年明け以降春先に向けて110円方向に近づいていくと考えている。