11/8 クレディ・アグリコル銀行 斎藤裕司

 予想レンジ(一週間)
 112.50円~114.50円
 注目ポイント
 115円の壁

安値(11/8~11/12) 高値(11/8~11/12)
112.727 +22.7 11/9(火) 114.300 -20.0 11/12(金)

先週の相場を振り返って、今週はどんな展開?

 金曜日は雇用統計の後にアメリカの長期金利が低下しドル/円は下げて終ったが、雇用統計の中身を見ると労働参加率が足踏みをしている中で雇用者が増えているので、賃金の上昇圧力は根強いと考えられ、想像以上にインフレ圧力が強いことを示唆しているようだ。

 これらを踏まえて今週はFRB高官の発言機会が多くあるので、ドル/円は上昇しやすいと考えている。

注目ポイントについて

 ドル/円は2017年以降の週足チャートを見ると、基本的に105円~115円レンジ。

 105円を下回った昨年末から今年初めにかけて、買われ過ぎ・売られ過ぎを示すチャートのRSIが売られ過ぎを示すサインの30%割れにはまだ余裕があるにもかかわらず、年明け早々に財務省・金融庁・日銀による三者会合の後、当時の財務官から為替けん制発言が出た。

 こうしたことから市場では105円~115円が基本レンジだという風に思われている訳だが、今回も通年のレンジの上限の115円を抜けそうな局面では、けん制発言が出るのではという思惑もあり、足元でも抜けそうでなかなか抜けないという状況が続いている。

今回も簡単にこの115円の壁を越えて上抜けしていく──ドル/円が上昇していくということはあまりないとみて良い?

 個人的にはそうは考えていない──今回は日米の金融政策、貿易収支、成長率の差など、ファンダメンタルズの差に沿った動きになっている為に、やはりドル/円は115円の壁を再度トライすることになるだろう。

 仮にけん制発言があったとしても、ドル/円が一日数円動くようなスピードをもった上昇であれば別だが、そうでなければ強いけん制は出ないと考えている。

 また11月は年末に向けてドルの手当てや、11月締めのファンドがあるといった理由から、この10年間で7回ドル/円は上昇していて、一年間の中でも11月の変化率が10年平均で2.43%と最も大きい月であるということにも注意したいと考えている。

仮に心理的な節目の115円を抜けていった場合は、ドル/円としてはどういった水準が目安になってくる?

 2016年12月の高値の118円後半がターゲットになるだろう。

 チャートでは50週移動平均が100週移動平均を上抜け──ゴールデンクロスしており、200週移動平均にも接近している。

 これらから長期的なドル/円の上昇トレンドが確認できるので、このトレンドが続く蓋然性が高いと考えている。