10/5 三菱UFJ銀行 内田稔

 予想レンジ
 110.60円~111.20円
 注目ポイント
 ドル円続伸のカギ握る「円安」

安値(7:00~翌5:00) 高値(7:00~翌5:00)
110.870 +27.0 9:15 111.562 +36.2 23:55

NY市場を振り返って、今日の見通しについて

 先週ドル/円は112円台に乗せたが、月末を超えて反落している。

 ただ、アメリカの金融政策正常化を見据えたドルの先高感も根強いので、今日は110円台後半で揉み合うと予想している。

注目ポイントについて

 9月のFOMC以降にドル/円は上昇したが、ドル高のみだと新興国通貨安が目立ち、またそのドル高をもたらす米国債の利回り上昇が株価への重石にもなってしまう。

 つまり、ドル高のみだとリスク回避の円高も招いてしまう為、ドル/円の上昇は抑制されてしまう。

 従って、ドル/円の一段の続伸にはドル高と円安の両輪が揃うことが重要。

その円安が今後進むのかという意味では円相場は今どういう状況?

 足元の円相場は主要10通貨に対してみると概ね横ばい圏で推移しており、春先のような円安相場にはなっていない。

 そこで日本のインフレ期待に注目している──インフレ期待が上がると実質金利が低下して円安が進む為。

 現在インフレ期待は6月以来の水準まで高まっているので、この上昇が続けば一段の円安も見込まれる。

そのインフレ期待というのは今後上昇しそう?

 3つの点に注目している──まず世界経済については、やはり新型コロナの治療薬の開発が前進すれば経済活動も正常化機運が高まる。

 ただ、世界的に見て金融政策の正常化が進んでいく点には注意が必要。

 次に、足元で上昇している原油先物相場だが、こちらも時間の経過と共に供給制約が和らいで相場の上昇も落ち着いてくるとみている。

 また、日本の政策では年末までに数十兆円規模の経済対策が講じられる見通し。

 ただ、過去5年間の30兆円弱の経済対策でもインフレ期待はあまり上がらなかった。

 総じてみると、一段とインフレ期待が上昇して円安が進んでいくという風には考えにくいとみている。

 ドル/円相場はしばらくの間ドル高によって底堅く推移するという風にみているが、このドル高に円安の動きが加わらなければ、年末までに再び110円を割り込んでくる可能性の方が高いと予想している。