9/10 三菱UFJ信託銀行 沖本恭章

 予想レンジ
 109.30円~110.10円
 注目ポイント
 「物価上昇を転嫁できない企業」と為替

安値(7:00~翌5:00) 高値(7:00~翌5:00)
109.697 +39.7 10:00 109.991 -10.9 16:25

今日の動きをどんな風にみている?

 昨日の海外時間のドル/円は東京時間からの上値の重さを引き継ぎ、やや軟調に推移した。

 米欧金利が下落する中で、ドル/円は先週のアメリカ雇用統計後の安値の109.70割れまで下落した。

 本日の東京時間もこの流れを引き継ぎ、上値が重い展開を想定している。

注目ポイントについて、今日は米生産者物価指数が発表されることになっているが、関連する話?

 はい──生産者物価指数は来週火曜日発表の消費者物価指数を考える上で重要だが、市場予想は前年比+8.2%と前回の7.8%より非常に高い数値。

 今年に入り生産者物価指数の伸びは消費者物価指数を上回って推移しており、これは企業が調達コストの増加分を称して販売価格に転嫁できていないこと、つまり企業収益を圧迫していることを表している。

アメリカはすぐ価格転嫁するものだという風に思っていたので少し意外な感じもするが、転嫁しないでもいられている理由はどこにある?

 それを可能にしているのは好調な企業業績──消費者物価指数と生産者物価指数のグラフの差は今年に入ってマイナス、つまり価格転嫁ができていない訳だが、収益の拡大がそれを支えている状況。

 ただ、この物価指数の差、つまり価格転嫁できない度合いは2.4%と過去に比べても高水準で、それがさらに拡大するかに注目している。

これから先というのは価格転嫁できるような状況になっていくという風にみている?

 簡単にはできないと考えている──アメリカの消費者物価の伸び率が平均時給の伸び率を上回っていて、過度な値上げは購買意欲の減退に繋がる為。

 つまり、現状では生産者物価の高止まりは企業収益の悪化の一因になる。

日本の話を聞いてるような感もあるが、このことは為替相場にどう影響するとみている?

 ドル/円については株価上昇によるリスクオンによって円安傾向で推移すると考えている。

 ただ、いまの株高は高いEPS──一株利益の伸びに支えられている部分もある為、企業収益の悪化への懸念は株価下落のリスクオフ、それによる円買いの動きに繋がる為、注意が必要だと考えている。