9/9 シティグループ証券 高島修

 予想レンジ
 110.00円~110.80円
 注目ポイント
 日本株高で円相場は?

安値(7:00~翌5:00) 高値(7:00~翌5:00)
109.621 -37.9 翌2:10 110.274 -52.6 7:00

今日の動きはどんな風にみている?

 昨日は米株が少し下がってくる中でリスクオフ的なドル高という格好になった。

 ドル/円は伸び悩んだ訳だが、本日はECB理事会が焦点だと思う──ハト派サプライズの可能性もあるので、全体的なドルの堅調地合いは継続するだろう。

注目ポイントについて、日本では政権交代に期待感というのもあって連日株高が続いているが、ドル/円が膠着状態なのは一体なぜ?

 ドル/円とトピックスの長期的な推移を示したグラフを見ると、基本的には株高・円安、株安・円高との関係があるが、アベノミクス初期に非常に強い相関が生じた後、この数年は両者の相関は低下している。

 円安で企業業績が改善、日本株高に貢献するというのが最も重要な関係ではあるが、実際には国内外の投資家の非常に複雑なヘッジ行動の影響も受けるので、その時々に相関が発生するかどうかは需給環境次第ということだろう。

いま日本で言うと株高の状態なので基本的にはリスクオンで本来であれば円安ということになると思うが、実際そうなってないのは色々な要因がある?

 一つは年金をはじめとした機関投資家のリバランス活動だろう──リバランスとは割高になった資産を売って相対的に割安な資産を買う投資行動だが、最近では持続的なアメリカの株高を受けて年金の海外株の売却が目立つ。

 国際収支統計でも昨年以降海外株を売却し、日本に資金を戻す動きが確認されている。

 実は投資家が海外から日本に資金を引き上げる大規模なリパトリエーションが発生してる訳だが、ドル売り円買いと共に売却資金が割安化した日本株に入ったことで最近の株高を支えているのだろう。

海外投資家の動きというのはどうみている? 

 アベノミクス期待の株高が始まった2012年10月以降の海外投資家による日本株投資を累積した図を見ると、2015年までは急ピッチで日本株への投資が行われていたが、それ以降は持高が削減されている。

 特に昨年はコロナ危機で10兆円近い削減となっていて、その大半は日本株の売却に伴って円売りを伴っていたとみられる。

 そのときに蓄積されていた円安圧力が今年表面化しているという風に考えていて、逆に今後政権交代期待で海外勢が日本株投資を復元することであれば為替需給的には円買い要因になってくる。

 株高によるリスクオン的な円安を妨げる一員にもなり得るという風に考えている。