9/6 クレディ・アグリコル銀行 斎藤裕司

 予想レンジ(一週間)
 109.00円~111.00円
 注目ポイント
 日本 政局の為替相場への影響

安値(9/6~9/10) 高値(9/6~9/10)
109.621 +62.1 9/9(木) 110.446 -55.4 9/8(水)

先週を振り返って、今週はどんな相場を見れば良い?

 先週金曜日の8月の米雇用統計は非農業部門の雇用者が市場予想を大幅に下回り、ドル/円は失望売りとなった。

 今週はアメリカの金融当局者の発言が相次ぐので注意。

 雇用統計を受けて発言内容がハト派的に傾いていれば、このところのレンジである109円~111円レンジの下限を試す展開も想定される。

 ただし、その場合でも月足チャート見ると2016年からの下落トレンドの上に出ていて、12ヵ月移動平均が24ヵ月移動平均を上回ってゴールデンクロスしており、週足でも50週移動平均が100週移動平均を上回りそうで、中長期でのドル/円は底堅さを示しているので、方向感は変わらないだろう。

注目ポイントについて、菅総理が事実上の退任を表明したが、今後の政局はどう為替に影響してきそう?

 市場の注目は自民党総裁選に完全に移った──17日の告示までは時間がまだあるので、どういう候補者の組み合わせになるか分からないが、現在総裁候補と言われている方達のスローガンは令和の所得倍増であるとか、ニューアベノミクスということで、積極的な財政出動・異次元緩和の継続という流れというのは変わらないと思われる。

 更に、衆議院議員選挙で現与党が政権から下野しないことが条件だが、候補者の方の政権の実効性が担保されれば、株高・円売りの動きになることが想定される。

 ただ、2020年度の予算から過去最大の30.7兆円の繰越金があることも先日報道されていたが、予算の希望を大きく見せる為だけの財政出動をしだしても、実際に執行できなければお金が回らないので、円安圧力は小さくなる。

仮に新総裁を据えて与党が総選挙を戦った後、過半数割れとなってしまった場合はどうなる?

 金融政策自体は大きな変更はないだろう──しかし、他の政党による連立参加や政策協調となれば、財政政策のスピードと実効性の疑問符から短期的にリスクオフの動きから円高になることも想定されるが、中長期的には各国との経済回復の差が出てくることが円売りになるとみている。