8/23 JPモルガン・チェース銀行 佐々木融

 予想レンジ(一週間)
 108.50円~110.50円
 注目ポイント
 ジャクソンホールよりデルタ株

安値(8/23~8/27) 高値(8/23~8/27)
109.413 +91.3 8/24(火) 110.266 -23.4 8/27(金)

先週の動きを振り返って、今日はどんな動きを想定している?

 先週はリスクオフムードが強まり、原油や銅などのコモディティ価格が大きく下落し株価は上値が重く、為替市場ではドルと円が共に強くなることによってクロス円での円高が続いた。

 アメリカではコロナウイルス感染者による死者数の増加もみられるようなので、今週もリスクオフムードが続くのではないかという風にみている。

注目ポイントについて、今週は世界の中央銀行トップが集まるジャクソンホール会合がありFRBパウエル議長の発言に注目が集まる訳だが、ジャクソンホール会合よりもコロナのデルタ株の動きの方が為替市場には影響がある?

 足元ではデルタ株の感染拡大の方が重要だと思う──先週の主要通貨の騰落率を見ると、ドル・スイスフラン・円がほぼ同等に強かったということが分かる。

 つまり、為替市場からみるとアメリカの金利がやや低下していることにも鑑みると、いまのドル高というのはアメリカのテーパリング期待の高まりによるものとは言えず、投資家の慎重姿勢・リスクオフ心理の強まりがドルや円を強くしてるという風に考えられる。

まさにそのリスクオフ心理を生んでいるのがデルタ株による感染拡大ということ?

 はい──先月以降、イギリス・アメリカ・日本に加え東南アジアや中国でも感染が再拡大している。

 その結果、中国やオセアニアなどで厳しい移動制限が導入されたり、トヨタ自動車も減産を余儀なくされたりしている。

 更に中国の規制強化という要因なども加わって、当社のエコノミストは7-9月期の世界の成長率を過去1ヵ月間で2%ポイント近くも下方修正している。

 こうした背景からも今週もリスクを回避する動きが続き、コモディティ価格の下落、対ドル以外での円高がもうしばらく続くのではないかという風にみている。

ジャクソンホール会合はドル/円相場にはあまり影響しないとみて良い?

 はい──テーパリング開始については市場は既にに織り込んでいると思う。

 むしろ来年初以降にテーパリングが先送りされる方が市場にはサプライズで、そのときはアメリカの金利は低下の方に動くと思うが、いずれにしても日本時間で今週金曜日夜のジャクソンホールでのパウエル議長の講演で大きく動くとは想定しにくいと思っている。

 また、ドル/円相場にとっての注目は利上げのタイミングに移っていると考えられ短期セクターの金利の方が重要だが、これも現段階で市場の織り込みが変わるとは考えにくいという風にみている。