8/18 三菱UFJ信託銀行 谷口晶俊

 予想レンジ
 109.10円~109.80円
 注目ポイント
 米金利は需給面から上昇抑制

安値(7:00~翌5:00) 高値(7:00~翌5:00)
109.479 +37.9 10:05 110.066 +26.6 翌3:00

NY市場を振り返って、今日はどんな見通し?

 昨日のNY市場では7月の米小売売上高が市場予想を下回り株価は反落したものの、パウエル議長の発言を控えたポジション調整から金利は上昇、ドル/円も109円台半ばまで持ち直す展開となった。

 本日はFOMC議事要旨が公表されテーパリングに関する議論が明らかになると思われるが、最新の経済指標やデルタ株の蔓延状況からも来週のジャクソンホールの注目が高く、ドル/円の影響は限定的で109円台で底堅いものと予想する。

注目ポイントについて

 FRBの月次国債買い入れ額の3ヵ月平均値の推移のグラフを見ると、FRBの国債買い入れペースは昨年6月NY連銀の声明文にて月額800億ドルが明示され、そのペースを維持している。

 そこに米国債の純発行額3ヵ月平均値の推移を見ると、コロナショックに伴い一時的に大きく増加したが今年に入り純発行額は減少し、直近5月にはFRBの買い入れ額を下回る水準まで減少している。

この国債発行額がFRBの購入額を下回る状況というのは、どういう影響がある?

 この状況は米国債の純供給をFRBが全て消化してしまっている状態と解釈でき、大口の買い手としてFRBが存在していることで投資家は安心して米国債を買うことができ、金利低下圧力となっている。

 足元で強い労働環境の指標や株価の高値更新などリスクオン地合いとなっても、金利が低下していた大きな要因とみている。

今後この需給の変化があるのかどうかといったところや、為替相場への影響というのはどういう風にみていけばよい?

 この需給面については今月米国上院で可決した約1兆ドル規模のインフラ投資法案が最終下院の休会明けに予算決議と共に審議が開始されることや、来週のジャクソンホールにてパウエル議長がテーパリングについて踏み込んだ言及があれば9月以降金利は上昇する可能性が高いとみている。

 ドル/円相場においても今月内は110円を重石と見るも、秋口から年末にかけては金利上昇とともに111円台を再度試していくものと予想する。