7/8 SMBC日興証券 野地慎

 予想レンジ
 110.20円~111.00円
 注目ポイント
 米長期金利低下でドル高

安値(7:00~翌5:00) 高値(7:00~翌5:00)
109.533 -66.7 23:55 110.673 -32.7 7:25

今日の見通しについて

 本日は重要な経済統計の発表が予定されていないので、やや材料不足といったところだが、足元では原油価格の変動が大きくなっている。

 資源通貨国と資源を持たない国の通貨で強弱が出やすく、例えば原油高が進めば円安が生じやすいと言えそう。

注目ポイントについて、通常ではアメリカの金利が低下するとドルが売られてドル安という風に考えるところだが、実際にはそうなっていない?

 6月のFOMCで利上げの前倒しが示唆された後、アメリカの10年債利回りが低下傾向にある。

 一方で為替市場ではドルインデックスが上昇傾向となっていて、違和感を覚える市場参加者も多いようだ。

金利は低下でドル高の要因の背景はどうみている?

 米国の10年債利回りを期待インフレ率と実質金利に分解してみると、低下しているのは期待インフレ率ばかりであり、為替市場への影響が強い実質金利はあまり下がっていないことが分かる。

 つまり今回の長期金利低下は利上げの前倒しが伝わってインフレ期待が弱まり、インフレ期待が期待インフレ率が低下したことによるものということが示唆される。

 しかし、期待インフレ率が低下しても実質金利が下がらなければ結局ドルは売られず、むしろ若干利上げ期待が残っているのでドル高方向に動きやすくなっている──これがドル高の背景と言えそう。

今後はどういう展開をみている?

 昨年以降、このドルの実質金利低下の局面では円やユーロや豪ドルなど主要6通貨の投機筋ポジションは買い越され、これが昨年以降のドル安に寄与してきた。

 ただ、いまのように実質金利が下がりづらいなか、むしろ今後はFOMCなどで利上げやテーパリングなどへの期待が高まりやすくなるので、実質金利上昇とそれによるドル高の方が観測される可能性もある。

 その場合、ドル/円についても再び112円を視野に入れることになりそう。