3/31 JPモルガン・チェース銀行 佐々木融

 予想レンジ
 109.80円~110.80円
 注目ポイント
 円安は長続きしない

安値(7:00~翌5:00) 高値(7:00~翌5:00)
110.276 +47.6 9:00 110.964 +16.4 12:05

今後の展開をどうみている?

 昨日もアメリカの長期金利上昇でドル買い・円売りとなったが、今日も日米金利差に沿った展開となるとみられ、日本は年度末、海外も四半期末なので金利差とドル/円の相関に変化が現れるかに注目したい。

注目ポイントについて

 年初来のドル/円上昇の背景は円が最弱通貨となっている為──ドルは主要10通貨の中で4番目で特に目立った[?]というわけではないという状況になる。

 円が弱い背景というのは2つあり、1つは金利差──ドルを含めた主要通貨の上位6通貨は10年金利が50bps以上上昇している一方で、日本は7bpsしか上昇していないので単純に金利差が開いているということ。

 もう1つの円安の要因としては短期筋のポジションの変化が考えられる──シカゴIMMの投機的ポジションは去年の年末の円ロングから円ショートに大きく変化していて、リフレトレードと称して低金利の円を売って、比較的高金利のコモディティ通貨などを買う動きが活発化している。

いわゆる円キャリートレードと呼ばれるものだと思うが、これは長続きする?

 結論から言うと、円キャリートレードは長続きする環境にはないという風に考えている。

 先進国の政策金利加重平均値と円の名目実効レートを比較したチャートを見ると、2005年~2007年や2017年の円安局面では、他の国の短期金利が上昇して日本との金利差が開いていることが分かる。

 キャリートレードの為には短期金利差が開く必要があるが、今は各国とも短期金利は上がっていないので日本との金利差は開いていない──いわゆるキャリーが稼げない状態になっている。

2013年~2015年のアベノミクスで大幅な円安となったときも、他国の短期金利は上昇していなかったし、いまは長期金利の差は拡大しているわけだが、これは円安の圧力にならない?

 アベノミクスのときの円安というのは日本の大幅な貿易赤字と、年金を中心とした外債投資に伴う円売りが影響したわけだが、いまは貿易収支は赤字ではないし、各国との長短金利差が拡大しているので為替市場に影響を与えない、いわゆる為替ヘッジ付きの外債投資でも十分高いリターンが望める。

 アメリカの10年国債にヘッジ付きで投資をしても日本の20年国債金利の3倍ぐらいのリターンがある状況になっている。

 従って、いま投機筋による円売りポジションというのは、以前のように日本からの円売りフローのサポートを受けられず、あまり長続きしないのではないかという風に考えている。