3/30 三菱UFJ銀行 内田稔

 予想レンジ
 109.50円~110.10円
 注目ポイント
 新年度を迎える円相場の留意点

安値(7:00~翌5:00) 高値(7:00~翌5:00)
109.759 +25.9 7:30 110.425 +32.5 22:40

これまでNY市場は110円にタッチするかどうかという所で、なかなかタッチしない展開ということで来ているが、今日の展開はどうみている?

 アベノミクス以降で見ると、期末の前営業日というのは過去8回中5回ドル高・円安になっている。

 実質新年度入りとなる今日はドル/円は底堅く推移しそう。

 ただ、週半ば以降に多くの材料が控えているので、110円近辺では引き続き上値が重いと予想している。

今日から実質的に新年度相場入りという風になるが、新年度というとやはり日本の機関投資家が海外の株や債券を買って、その中でドル高・裏返して円安という観測もある訳だが、今年は?

 必ずしもそうではないと思う──確かにこの時期は日本の投資家などは外貨建ての資産を積み増す傾向にある。

 ただ、マイナス金利が導入された2016年以降、過去5年の平均の推移を見ると、円は対ドルでも幅広い通貨に対する名目実効相場ベースでも4月~5月は概ね横ばい、6月以降はむしろ円高が進む傾向がみられる──従って、期初だから円安という訳ではないようだ。

今年年初からの円安・ドル高というのは4月以降はどうなるという風にみている?

 アメリカの長期金利に注目だと思う──年初来、アメリカの長期金利上昇がドル/円上昇の原動力とされているが、ドルの名目実効相場はドル/円ほどには上がっていない。

 つまり、ドル/円上昇の裏でリスク選好の円安がかなり効いていたと考えられる。

 その点、長期金利があまり上がってしまうと市場はリスク回避的になりかねない。

 アメリカの株価指数S&P500の益回りとアメリカの長期金利を表したグラフを見ると、この両者の差の部分が株式投資に対するメリットと考えられる。

 ただ、この長期金利が1.8%台半ばまで上昇すると、株式投資のメリットの部分がアメリカ株が2割も急落した2018年10月頃の水準まで縮小してしまう。

これ以上長期金利が上がると、逆に円が高くなるというよりはリスクオフの株価下落を通じたリスクオフの円高という風にリスクがある?

 はい──アメリカの金利上昇はドル高・円安という連想が働きやすいが、実際には一段の金利上昇はかえってリスク回避と円高を招く危険性があるので、長期金利の上昇には十分注意が必要だろう。