3/10 野村証券 後藤祐二朗

 予想レンジ
 108.20円~109.20円
 注目ポイント
 日本企業の変化と円安ドル高

安値(7:00~翌5:00) 高値(7:00~翌5:00)
108.339 +13.9 23:10 108.918 -28.2 15:00

ここまでの流れから、今日の見通しについて

 現在の為替市場では米長期金利がドライバーとなっているが、3年債入札の好調に加えて本日の10年債入札を控え、米国の金利はやや調整圧力が高まった。

 米金利の低下に連動する形でドルも調整し、ドル/円相場もアジア時間に付けていた109円台から108円台半ばまで調整している。

 本日は海外時間に米国の2月CPIが予定されているが、明日にECB会合を控えていることもあり、やや動意の薄い展開が予想される。

 ドルは108円台を中心にしっかりとした展開になりそう。

注目ポイントについて

 為替市場では円安・ドル高の勢いが強まっているが、その背景の一つとして日本に絡んだ為替需給についてやや変化の兆しが出ていることが注目される。

 月曜日に公表された1月の国際収支統計では日本からの直接投資収支の流出が1.7兆円近くまで加速し、昨年7月以来の高水準の流出超過となった。

 コロナショックによる不透明感の高さを背景に、昨年後半に低迷した日本企業による対外直接投資も2.8兆円近くまで回復している。

日本企業による対外直接投資となると、海外に拠点を作ったり不動産を買うという動きが強まっている?

 はい──歴史的に見ても日本企業の対外直接投資は景況感が改善する際に増加しやすい傾向がある。

 国内での設備投資力が高まるときには対外直接投資も加速する傾向があり、コロナワクチン普及への期待が高まりコロナ後を見据えた日本企業の国内外での投資活動が活発化し始めた可能性がありそう。

 年明け以降の急ピッチでのドル/円上昇の[?]は米金利上昇や蓄積していたドル売りポジションの解消などとみているが、需給的な円高圧力が低下している可能性にも注目しておきたいところ。

日本企業が海外に投資を行う際には自国の円をドルに替えることによる円安の圧力があるかと思うが、その円安・ドル高の流れというのはどこまで続きそう?

 日本企業の直接投資回復もあり需給的な円高圧力は低下している中、来週予定されている日米の金融政策会合に向けては金利差拡大期待に基づくドル/円相場の上昇圧力も根強く[?]。

 目先は110円台を試すような円安・ドル高の可能性を意識する必要があると考えている。