3/5 三菱UFJ信託銀行 谷口晶俊

 予想レンジ
 107.00円~108.30円
 注目ポイント
 米長期失業者割合

安値(7:00~翌5:00) 高値(7:00~翌5:00)
107.821 +82.1 10:20 108.642 +34.2 22:30

NY市場を受け、今日の見通しについて

 昨日のNY市場ではパウエルFRB議長の講演において、最近の米債利回りの急上昇に対し市場が期待するほど大きな懸念を示さなかったことで金利は上昇し、ドル/円は108円を試す展開となった。

 本日は米国で雇用統計が発表されるが、事前に発表されたADP雇用報告やISM雇用指数の弱含みから下振れが警戒され、上値の重い展開を予想する。

注目ポイントについて

 この長期失業者というのは失業者の内27週以上、つまり半年以上失業状態にあり就業意欲のある人の割合になる。

 指標も特性上コロナショック直後には短期失業者の大幅な増加により相対的に長期失業の割合は激減した。

 その後、現在は39.5%とリーマンショック後に付けた45.5%に迫る勢い。

 主な労働指標は急激に悪化した状態からピークアウトしたものの、長期失業割合については未だに悪化状態が続いている。

 2000年以降、連続利上げを開始した2004年6月や2017年末の水準は20%台前半であり、パウエル議長の掲げる完全雇用には程遠い状況とみている──その為、まだ利上げをできるような環境ではないことが分かる。

最近の金利上昇は利上げを織り込む動きとも言われているが?

 直近のFRB高官の発言からは、金利上昇は景気回復に伴う動きでインフレを下支えする面からも一定程度容認されている状況。

 しかし、経済活動を阻害し始めれば金利上昇を懸念するとの発言も聞かれ、長期失業者割合を含めた労働指標の改善がみられないと、もう一段の金利上昇は見込みづらいとみている。

 今年に入りドル/円は日米金利差拡大から107円台まで上昇しており、金利差拡大が頭打ちとなればドル/円は108円台が上値メドとして意識されていきそう。