9/15 JPモルガン・チェース銀行 佐々木融

 予想レンジ
 105.20円~105.90円
 注目ポイント
 スガノミクスと円相場

安値(7:00~翌5:00) 高値(7:00~翌5:00)
105.301 +10.1 22:40 105.813 -8.7 18:00

ここまでの流れと、今日の見通しについて

 昨日はアメリカの長期金利の低下を受けてドルは弱く円は強かった為、ドル/円は2週間ぶりの105円50銭近辺まで下落している。

 このところ金利差との相関も失ってニューヨークの終わりは必ず106円台前半に戻ってくるという展開が続いたが、またドル安方向への圧力が強まり始め、ドルの名目実効レートは1月末以来の水準まで下落している。

 従って、ドル/円も徐々に上値を切り下げる展開が続きそうだという風にみている。

注目ポイントについて、菅政権に変わった後の為替市場はどうみている?

 円の実質実効レートの動きを見ると、アベノミクスの成果の一つは大胆な金融緩和で円相場を円安方向に持って行き、それを維持したことだと考える。

 いわゆるスガノミクスも金融政策に大きな変更はないと考えられる為、そこは心配ないだろう。

 一方で小泉政権のときもそうだったように、政権が長期間安定し日本の企業・投資家が安心して対外投資を行ったことが円安に繋がった可能性も考えられる為、菅政権も長期安定となるかどうかも円相場にとっては重要なことだろう。

その他に為替市場で影響しそうなポイントは、どのようなところに注目する?

 やはり一番重要なのは日米関係だという風に考えている──過去も日米関係がぎくしゃくすると円高方向に振れることがあったので、ここが要注意ポイントだと思っている。

 例えば1993年はクリントン政権が始まって早々、日米貿易不均衡解決の為に円高を求める口先介入を続けてドルが大きく下落した。

 2016年4月にはアメリカが為替報告書で日本を監視リスト入りさせたり、当時ルー財務長官と麻生財務大臣の円相場に対する見解が異なって円高が進んだこともあった。

トランプ大統領の発言でも円高は進んだ?

 トランプ大統領が就任直前にトヨタのメキシコ工場建設を非難して円高が進み、結局今でもそこが円安のピークという風になっている。

 もちろん相場はこれだけでは決まらないが、日米間の不協和音が聞こえると円高に振れやすいのは事実で、小泉・ブッシュ政権のときは日米関係が良かったのでドル/円は比較的円安水準で推移していた。

 菅政権がトランプ政権との関係維持はもちろん、来年早々民主党政権に変わってしまった場合に関係をどう構築していくかが円相場にとって重要な要素だと考えている。