8/31 三菱UFJモルガン・スタンレー証券 植野大作

 予想レンジ(一週間)
 104.70円~106.40円
 注目ポイント
 日本 安部総理辞任のインパクト

安値(8/31~9/4) 高値(8/31~9/4)
105.292 +59.2 8/31(月) 106.548 +14.8 9/3(木)

今週の見通しについて

 先週は米FRBの平均物価目標導入後にアメリカの長期金利が上昇し一時106円90銭台まで円安が進んだが、週末に安倍総理が辞任を表明するとアベノミクスの終了観測が強まり105円20銭付近まで一時円高に振れた。

 今週はそれらのイベントが経済や政策に与える影響を冷静に見つめ直す平常心を回復、徐々に落ち着きを取り戻すと予想する。

注目ポイントについて、先週一気に雰囲気が変わり円高に動いたが、105円を割るような円高のリスクはどの程度みている?

 一時的にはあると思うが、安倍総理の辞任は政治的にはインパクトが大きいが日本経済への影響は限定的。

 現在日本の物価はアメリカ以上に停滞していて日銀も物価目標2%以上に上振れさせる政策にコミットしているので、安倍総理が退陣しても日銀の黒田総裁が健在ならば、為替の方向や水準を決める最も大切な要素である日米金利差は数年以上動きそうにない。

 これまで同様、極端な円高は進まず105円割れがあっても対空時間は短いだろう。

安倍総理の退陣後、一部で黒田総裁が退任するのではないかという声も上がっているが?

 一部の海外投機筋などの間でそのような憶測があるのは事実だが、政府から独立した金融政策を預かる立場の日銀トップがそのような理由で退任するということはまず有り得ないだろう。

 因みに黒田日銀総裁の任期は2023年4月まで残っていて、来年9月には(在任日数が)歴代1位になる見込み。

 ファンダメンタルズと関係のない投機的な思惑から日本の株式市場や為替市場を守る意味でも、日銀総裁がそのような観測を明確に否定する必要があるだろう。