7/21 JPモルガン・チェース銀行 佐々木融

 予想レンジ
 106.90円~107.80円
 注目ポイント
 円より弱いドル 強いユーロの見通し

安値(7:00~翌5:00) 高値(7:00~翌5:00)
106.687 -21.3 翌2:50 107.365 -43.5 15:35

ここまでEUの復興基金協議4日目を迎えているが、ここまでの流れをどうみる?

 復興基金については補助金を減額する形での妥協点を探る協議が続けられている模様で、そうしたなか昨日の欧米株価は堅調に推移し為替市場ではドルと円が共に弱くドル/円は107円台前半でのレンジ取引、ユーロ/ドルは1.14ドル台半ばで3月上旬以来の高値を更新している。

注目ポイントについて

 コロナの新規感染者数は世界的に拡大しているが、7月以降世界の株価は堅調に推移して市場はリスクオンムードが続いている。

 こうしたなかで為替市場ではドルと円が共に弱く、リスクオンの典型的なパターンになっている。

 その結果、主要3通貨を強い順に並べるとユーロ>円>ドルの順番になっていてユーロ/円は上昇、ドル/円は下落といった形になっている。

ドルに関しての今後は?

 世界全体の経済活動の状況を指数化した値とドルの名目実効レートとの関係を見ると、経済活動が新型コロナウイルス感染拡大の落ち込みから回復するのに伴ってドルが下落しているのが分かる。

 このあと経済の回復基調が続くようであればドルは一段と弱くなり、逆に再び自粛モードが広がるとドルは短期的に[?]を買い戻されることになるだろう。

ユーロに関しての今後は?

 ユーロはまさに協議が続いている欧州復興基金の結果が影響してくると思うが、ここまでは合意を先取りする形でユーロは既に買われてきており、名目実効レートベースでは2009年12月以来の高水準に達している。

 従って、合意できないとなるとユーロは売られ、ユーロ/円で言えば先月の120円程度の水準まで売られることも十分考えれる。

 また、合意に至ったとしてもそれに反応してユーロが短期的には上昇するかもしれないが、合意は織り込まれていることもあってユーロの短期的な上昇余地は限定的になるだろう。

合意するとなると今後長期的にはどういう形になる?

 長期的に見ると実質実効レートではユーロは長期平均より依然割安なので、復興基金によってユーロ圏経済が長期的な見通しで明るさが見えてくれば、長期的にユーロの上昇余地はまだあるだろう。

 来年・再来年までという長いスパンで見ると、ユーロ/円で言えば2018年以来の130円台、ユーロ/ドルで言えば長期的なドル安の流れが続けば1.20ドル台までの上昇も十分に余地はあるという風に考えている。